大分市のフルリフォーム費用｜工期・事例と失敗しないポイント

2025年10月31日

【結論】

大分市でフルリフォーム（間取り・内装・水回り・一部外皮まで一体で更新）を行う費用は、戸建30坪で900万〜1,800万円、マンション70㎡で700万〜1,500万円が目安です。工期は2〜4カ月（設計・申請を含めると3〜5カ月）。成功の鍵は「事前診断→同一仕様で3社相見積→工程写真と保証を契約化」。沿岸（生石・坂ノ市・佐賀関）は塩害対策（SGL・SUS・塩害仕様フード）、高台（明野・高城台）は風圧・断熱と気密を重視。足場を使う外装は同時化し、窓・断熱を組み合わせて快適性も同時に底上げすると満足度が一段上がります。

第1章｜大分市のフルリフォーム“基本ルールと相場感”

相場の目安（税込）
- 戸建（延床約30坪）
  - 既存間取りを活かす総合改修：900万〜1,400万円
  - 間取り再編＋断熱/窓強化＋外装一部：1,200万〜1,800万円
- マンション（専有60〜80㎡）
  - 間取り調整＋水回り総替＋内装：700万〜1,200万円
  - スケルトン近い全面改修：1,000万〜1,500万円
主要内訳の目安
- 水回り4点（キッチン・浴室・洗面・トイレ）：180万〜420万円
- 内装（全室クロス・床・建具一部）：120万〜300万円
- 断熱・窓（内窓/玄関/天井床断熱）：40万〜200万円
- 設備更新（分電盤/専用回路/給排水一部更新）：30万〜120万円
- 外装（屋根カバー/外壁塗装・同時の場合）：150万〜350万円
- 設計・管理費：工事費の8〜12％
変動要因
- 雨漏り・白蟻・配管/電気の老朽、アスベスト、足場の有無、搬入動線（マンション規約）

第2章｜工期と標準工程（住みながら/仮住まいの目安）

工期の目安
- 設計・仕様確定・申請：3〜6週間（マンションは管理承認+1〜2週間）
- 工事：戸建2.5〜4カ月、マンション2〜3.5カ月
標準工程
1. 現地診断（床下・小屋裏・外装・配管・分電盤・換気）
2. 基本/実施設計・ショールーム選定・色番確定
3. 解体・下地確認（写真記録）→配管/配線更新
4. 断熱・気密・窓/建具・間仕切り造作
5. 水回り組立、内装、照明・スイッチ最終
6. 試運転（絶縁・風量・漏水）・引渡し書類・保証
住みながらの可否
- 間取り再編や水回り総替えは仮住まい推奨。LDK/水回りの仮設計画が組める場合のみ分割工事

第3章｜プラン別の概算早見表（戸建30坪／マンション70㎡）

戸建
- 表層＋水回り総替え＋内窓6：1,000万〜1,400万円（工期2.5〜3.5カ月）
- 間取り再編（LDK拡張・個室再配置）＋断熱・窓＋外装一部：1,300万〜1,800万円（工期3〜4カ月）
マンション
- 間取り調整（和→洋・WIC新設）＋水回り＋内装：750万〜1,200万円（工期2〜3カ月）
- スケルトン近い全面改修：1,000万〜1,500万円（工期2.5〜3.5カ月）
係数
- 劣化大（雨漏り・腐朽・配管総替え）：+15〜35％
- 沿岸塩害仕様（SUS・SGL・塩害フード）：+3〜8％
- 3階建/複雑形状/搬入難：+10〜25％

第4章｜大分市の具体的な施工事例

事例A｜戸建30坪・LDK中心のフル（田尻）

施工：2024年9月
仕様：キッチン対面化（LIXIL リシェルSI2550）、腰壁造作、レール＋間接照明、床フロアタイル、内窓4、洗面更新、全室クロス
費用：総額1,188万円／工期：11週間
効果：家事動線約-20％、冬の体感向上、写真映えで満足度◎

事例B｜戸建30坪・断熱＋水回り総替＋外装一部（高城新町）

施工：2024年10月
仕様：TOTO サザナ1616、キッチンミッテ2550、トイレ、内窓10、天井床断熱、外壁ラジカル塗装、屋根は点検補修
費用：総額1,428万円／工期：3.5カ月
効果：光熱費減、結露ほぼ解消、外観も一新

事例C｜マンション70㎡・間取り再編（高砂町）

施工：2023年12月
仕様：和室→洋室、WIC新設、Panasonic ラクシーナ、TOTO WY1216、全室内装、プラマードU×6
費用：総額1,062万円／工期：9週間
効果：収納量大幅UP、断熱/遮音向上、資産価値の維持

第5章｜専門家コメント

「フルでは“数値と記録”が命。塗布量/重ね幅/ビスピッチ、Uw/R値、風量・絶縁の試験記録を見積と完了報告で突き合わせると品質が担保できます。」
「大分は塩害・強風・多湿が混在。外部金物はSUS、屋根・外壁はSGLや高耐候仕様、梅雨・台風期は乾燥養生と日締め防水の徹底が長持ちの近道。」

第6章｜見積書の読み方（実務チェックリスト）

製品型番・性能値（窓Uw/η、断熱R、塗料名、屋根板厚・ルーフィング規格）
数量根拠（m²・m・台数・缶数・回数・役物点数）
施工基準値（塗布量・重ね幅・ビスピッチ・含水率・可使時間）
下地補修・配管/電気更新の数量（クラックm、腐朽交換m、配管延長m、専用回路数）
付帯（養生・撤去・産廃・足場・搬入・駐車）と単価
工程写真・試験記録（漏水・風量・絶縁）と保証（施工/製品）の範囲
追加単価表（想定外発生時）の添付

第7章｜失敗しないためのポイント（よくある落とし穴）

落とし穴
- 解体後の追加が膨らむ、配管/電気の更新漏れ、色・面材の“現場差”、足場の二度掛け
回避策
- 数量仮定と追加単価表を契約書に添付
- 分電盤容量・専用回路、給排水材質・勾配を事前点検
- A4以上のサンプルを現場光（朝/昼/夜）で確認、配灯図・造作図の事前確定
- 屋根・外壁・窓は同時期にまとめて足場共用

第8章｜スケジュールとベストシーズン

現地調査〜概算：1〜3日
設計・仕様確定：1〜3週間（ショールーム・サンプル確認）
工期：戸建2.5〜4カ月、マンション2〜3.5カ月
ベストシーズン：3〜6月／10〜11月（乾燥安定）
梅雨・台風期：順延条件・仮設計画・材料保管（室内）を事前合意

第9章｜費用最適化と補助制度（2025年時点）

コスト最適化
- 在庫型番・規格寸法を採用、特注は最小化
- 外装・窓・断熱を同時施工で足場/養生を共用（-8万〜15万円）
- 職種同日段取りと仮住まい短縮でトータルコストを圧縮
補助・支援（年度により変動）
- 国：先進的窓リノベ、給湯省エネ、住宅省エネキャンペーン
- 大分県・大分市：耐震・省エネ・子育て/高齢者改修の上乗せ
申請のコツ
- 多くは着工前申請。製品型番・性能要件・施工前後写真・図面が必要

第10章｜FAQ

Q1. フルとリノベの違いは？
- A. 範囲の広さと下地・設備までの介入度。フルは間取り/設備/内外装を一体で更新する前提。
Q2. 住みながらは可能？
- A. 分割施工で可能な場合もあるが、工期・ストレス増。仮住まいが総合的に合理的なケースが多い。
Q3. 優先順位は？
- A. 止水（屋根・外壁・窓）→設備（配管/電気）→断熱・窓→内装・意匠の順が失敗しにくい。
Q4. どれくらいで元が取れる？
- A. 省エネ（窓・断熱・給湯）は5〜12年で回収目安。デザイン・動線は家事時間削減と満足度向上が主効果。

第11章｜今日やることチェックリスト

図面（間取り・方位）と現況写真（屋根外壁/床下/分電盤/設備）を揃える
優先目的（快適・省エネ・時短・デザイン・耐久）を順位付け
欲しい製品の型番と色番を3候補ずつ用意
同一仕様で3社に現地見積依頼（提出期限設定）
補助金の募集状況と着工前申請の可否を確認

第12章｜依頼先の選び方

確認したい資格・体制
- 建設業許可（建築/内装/管/電気/塗装/板金等）
- 一級/二級建築士、建築施工管理技士、既存住宅状況調査技術者、給水装置工事主任技術者、第二種電気工事士
信頼のサイン
- 診断→設計→見積→工程写真→保証の一貫体制
- 地域特性（塩害・強風・多湿）への提案力
- 1年・3年の定期点検、台風後の臨時点検体制