大分市の屋根葺き直し工事|費用の目安と施工事例

屋根
目次

【結論】

大分市の屋根「葺き直し(ふきなおし)」工事は、既存瓦を一度外して下地や防水を更新し、同じ瓦(再利用)を葺き戻す工法です。30坪(屋根80〜100㎡)の相場は120万〜210万円が目安。瓦の状態が良好で意匠を残したい場合に有効で、軽量化や意匠変更を望むなら「葺き替え(新規材へ更新)200万〜300万円前後」も比較候補に。沿岸部(佐賀関・坂ノ市・生石〜王子港周辺)は塩害・強風を踏まえ、下地更新(野地合板増し張り)+高耐久ルーフィング(改質アスファルト)+ステンレス(SUS)釘/ビス+防災金具を標準化。見積は「下地更新量・ルーフィング品名・棟/谷の役物仕様・銅→SUS/SGLへの更新・再利用瓦の割れ補充枚数・仮設・保証・工程写真提出」を明記しましょう。

第1章|葺き直し工事とは(適用判断と相場)

  • 定義
    • 既存の瓦(和瓦・平板瓦など)を一旦撤去→下地・防水層を更新→既存瓦を選別再利用して葺き戻す工法
  • 向いているケース
    • 瓦自体は健全(割れ少・反り/欠けが軽微)、意匠を残したい、雨漏りは下地・防水起因
  • 向かないケース
    • 瓦の割れ・反りが多い、固定力が不足、軽量化(耐震)を強く望む場合(→葺き替え推奨)
  • 費用相場(80〜100㎡・税込)
    • 葺き直し:120万〜210万円
    • 参考|葺き替え:和瓦→金属(SGL)200万〜300万円、和瓦→防災平板瓦220万〜350万円
  • 価格を左右する要素
    • 瓦の再利用率(補充分の新規瓦購入枚数)
    • 野地合板の増し張り/張替え数量
    • 棟の取り直し(樹脂貫板・防災金具)と谷板金の材質更新
    • 足場条件(高さ・隣地距離)、屋根形状(谷の多さ・勾配)

第2章|大分市での仕様ポイント(塩害・強風対策)

  • 防水層(ルーフィング)
    • 改質アスファルト(粘着/自着)を標準に、谷・立上り・軒先は二重
    • 推奨例:田島「PカラーEX+」等
  • 下地(野地)
    • 合板12mm増し張り/腐朽部は張替え。含水率15%以下で進行
  • 棟・固定金具
    • 樹脂(人工木)貫板+SUSビスで棟取り直し、防災金具で緊結
  • 板金・役物
    • 谷板金・水切り・面戸はSUSまたはSGLへ更新(銅は塩害で腐食しやすい)
  • 釘/ビス
    • ステンレス(SUS)を基本、風当たり強い面はピッチを詰める(150〜200mm目安)

第3章|標準の施工内容(葺き直しフロー)

  1. 事前診断:屋根/小屋裏を点検(雨漏り経路、野地の腐朽、谷・棟の状態)、必要に応じ試験開口
  2. 仮設足場・養生:防護ネット、搬出動線、近隣配慮
  3. 既存瓦撤去・選別:割れ/反り/欠けのチェック、再利用不可分は補充手配
  4. 旧ルーフィング撤去→下地補修:野地合板増し張り/張替え、段差調整
  5. 新規ルーフィング敷き:改質アスファルト、重ね幅・立上り二重処理
  6. 役物先行:谷板金(SUS/SGL)、軒先・ケラバ水切り
  7. 瓦の再施工:防災金具・銅線→SUS線へ、桟木/瓦桟の更新
  8. 棟取り直し:樹脂貫板+SUSビス、南蛮漆喰/シーラーで納め
  9. 最終検査・清掃:通水・打診・ドローン確認、工程写真台帳・保証書の発行

第4章|面積別・工事別の概算早見表

  • 葺き直し(和瓦/平板瓦・標準仕様)
    • 屋根80㎡:120万〜170万円
    • 屋根100㎡:135万〜210万円
  • 参考|同時に行いやすい付帯
    • 雨樋全交換:10万〜25万円
    • 谷板金交換(1本5〜8m):8万〜25万円
    • 棟取り直し単独(5〜10m):12万〜35万円
  • 係数
    • 急勾配・3階・谷が多い・瓦補充分が多い:+10〜25%

第5章|大分市の施工事例

事例A|大分市明野・築30年 和瓦・屋根100㎡・葺き直し

  • 施工:2024年10月
  • 仕様:野地12mm増し張り、PカラーEX+、谷SUS、棟樹脂貫板+SUSビス、既存瓦再利用+補充20枚
  • 費用:総額186万円
  • 効果:雨漏り解消、台風時のばたつき低減、屋根寿命を実質10〜20年延伸

事例B|大分市佐賀関・築38年 和瓦・屋根90㎡・葺き直し+一部補修

  • 施工:2023年11月
  • 仕様:腐朽野地の部分張替え、改質アスファルト二重処理、谷SUS更新、棟取り直し
  • 費用:総額162万円
  • 効果:塩害で傷んだ谷の漏水が解消、風雨時の安心感が向上

事例C|大分市稙田・築28年 平板瓦・屋根80㎡・葺き直し→意匠維持

  • 施工:2024年5月
  • 仕様:野地増し張り、ルーフィング更新、ケラバ・軒先水切り新設、防災金具で緊結強化
  • 費用:総額148万円
  • 効果:外観を変えずに防水・耐風性能を底上げ、維持管理計画を15年スパンへ

第6章|専門家コメント

  • 「葺き直しは“瓦の再利用可否判断”が肝。選別と補充計画、棟の樹脂貫板化、谷SUS化で別府湾沿岸の塩害・強風にも耐えられる仕様になります。」
  • 「品質管理は“ルーフィングの重ね幅・立上り二重処理・留め付けピッチ・含水率(15%以下)”の記録と工程写真。ここが仕上がりの差になります。」

第7章|見積書の読み方(実務チェックリスト)

  • 瓦再利用率と補充枚数の想定、補充瓦の品名・色番
  • ルーフィング品名(改質アスファルト・粘着/自着)と二重処理範囲
  • 野地合板の増し張りm²/張替えm²(単価と数量)
  • 谷・水切り・笠木など役物の材質(SUS/SGL)と数量
  • 棟仕様(樹脂貫板/SUSビス/南蛮漆喰有無)、留め付けピッチ
  • 仮設(足場)・撤去処分の内訳(産廃分別、石綿該当時の対応)
  • 保証(雨漏り5〜10年目安)と対象範囲、工程写真台帳の提出

第8章|スケジュールとベストシーズン

  • 現地調査〜見積:2〜5日(小屋裏・ドローン併用)
  • 工期:4〜7日(100㎡目安、天候順延あり)
  • ベストシーズン:3〜6月/10〜11月(乾燥安定)
  • 梅雨・台風期対策:日締め仮防水、材料保管・防風ネット、露出期間の最小化

第9章|費用最適化と補助・保険(2025年時点の例)

  • コスト最適化
    • 外壁塗装・雨樋更新と同時に足場共用(-8万〜15万円)
    • 棟・谷・面戸・波板を同時更新し再訪問コストを削減
    • 面別最適化(海側=SUS/上位仕様、他面=標準)で長期コスト低減
  • 補助・支援
    • 大分市/大分県の住宅改修・省エネ/防災助成(年度で変動)
    • 風災・雹災被害の復旧は火災保険適用の可能性(経年は対象外)

第10章|よくある落とし穴と回避策

  • 瓦の再利用が多く割れて追加費用
    • 回避:事前の選別と補充枚数の計上、同等品の確保
  • ルーフィングの重ね幅不足・立上り未処理
    • 回避:仕様書に重ね幅・二重処理を明記、写真で検収
  • 谷板金を銅のまま再使用
    • 回避:塩害地域はSUS/SGLへ必ず更新
  • 棟取り直しで木貫板のまま
    • 回避:樹脂(人工木)貫板へ更新、SUSビスでピッチ強化
  • 下地の腐朽見落とし
    • 回避:試験開口・含水率測定、小屋裏点検を見積段階で実施

第11章|まとめ

  • 大分市の葺き直し相場は120万〜210万円(80〜100㎡)。瓦の意匠を活かしつつ、防水・耐風性を現代仕様に更新できる
  • 仕様は「改質アスファルトルーフィング/樹脂貫板/SUS金物/SUS/SGL谷板金」を基本に
  • 見積は「再利用率・下地更新量・役物材質・棟仕様・保証・工程写真」を厳密確認
  • 足場共用や面別最適化でコストを抑え、同一仕様の3社相見積で品質とコスパを両立

お問い合わせ情報

株式会社創建
所在地 〒874-0945 大分県別府市浜町14-2 創建ビル
電話番号  0977-85-8892
問い合わせ先 info@oita-soken.jp
ホームページ https://oita-soken.jp/

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