大分市の耐火リフォーム｜火災対策にかかる費用と施工方法

2025年11月1日

【結論】

大分市の耐火リフォームは「出火しにくくする（感知・遮断）× 延焼させない（被覆・区画）× 逃げやすくする（避難・防煙）」の三位一体で設計するのが最短ルート。費用目安は、室内の準耐火区画化（石膏ボードt12.5二重＋防火建具）で20万〜85万円/室、天井・梁の耐火被覆で15万〜60万円、キッチン周りの不燃化・住宅用自動消火装置で5万〜28万円、屋根外壁の対火仕様更新で80万〜300万円、感知・防災機器の強化で2万〜20万円。見積は「等級/法区分（防火・準防火・22条）・材料の不燃認定番号・層構成・貫通部防火処理・建具等級・電気ガスの付帯工事・保証/検査」を明記し、同一仕様で3社比較が鉄則です。

第1章｜大分市の耐火リフォーム“基本ルールと相場感”

室内区画の準耐火化（6〜10畳）
- 仕様：壁天井石膏ボード12.5mm二重貼り＋気密/防煙処理、下地補強、開口は防火戸 or ドアクローザー＋防煙材
- 費用：20万〜85万円/室（仕上げクロス復旧含む）
天井・構造の耐火被覆
- 仕様：梁・柱へロックウールボード/耐火被覆材、天井裏の防炎断熱材＋防火区画
- 費用：15万〜60万円（範囲・形状で変動）
キッチンの不燃化・初期消火
- 不燃キッチンパネル・難燃床材・IH化・レンジフード内清掃口更新
- 住宅用自動消火装置（天井設置/コンロ連動）2万〜10万円、IH化は+4万〜20万円
- 周辺不燃化（壁パネル/天板）：5万〜25万円
開口部・建具
- 防火サッシ（網入り/防火ガラス）カバー工法：腰窓10万〜18万円、掃出し12万〜25万円/窓
- 防火戸（屋内）：12万〜28万円/枚
外皮（屋根・外壁）
- 屋根：飛び火性能認定の金属屋根（SGL）カバー 70万〜180万円
- 外壁：金属サイディング/窯業16mm準耐火仕様カバー 150万〜300万円
感知・警報・防煙
- 住宅用火災警報器（連動型推奨）：1台3,000〜10,000円、設置工賃込み2万〜6万円/戸
- 防煙垂れ壁・カーテン（局所）：5万〜25万円

■地域特性（大分）

風が強い沿岸・高台では延焼時の風送効果に留意→外皮の防火・耐風仕様、屋外ストッカー/可燃物の配置を見直し
プロパン比率が高い地域はガス機器の遮熱・感震遮断器の設置が有効（1.5万〜5万円）

第2章｜施工方法（層構成とディテールの要点）

壁・天井の準耐火化
- 室内側から：PB12.5二重（目地ずらし）→不燃認定クロス or 仕上げ、入隅・配線貫通は鉱物繊維充填＋不燃コーキングで封止
- コンセントBOXは防火ボックス採用、ダウンライトは耐火被覆/気密防湿型で選定
貫通部の防火措置
- 配管・ダクトの貫通は防火区画貫通処理（ファイアーストップ材・モルタル/ケイカル板）＋防火ダンパー
建具・サッシ
- 室内ドアは熱膨張パッキン付きの防火戸、クローザーで閉鎖性を担保
- 窓は防火ガラス/網入＋アルミ樹脂防火サッシ、カバー工法で室内側の復旧を最小化
キッチン
- IH＋不燃パネル（キッチン背面・側面）、レンジフードは金属フィルタ＋ダンパー付、コンロ前の非難経路確保
外皮
- 屋根はSGL金属＋高耐久ルーフィング（対穴あき保証品）、棟は樹脂貫板＋SUSビス
- 外壁は通気胴縁＋防火認定の透湿防水シート＋防火サイディング/金属サイディング、開口三角シール徹底

第3章｜面積・プラン別の概算早見表

6畳の“寝室の準耐火化”（壁天井二重＋防火戸）
- 予算：35万〜85万円
LDKの“火元対策”パック（不燃パネル＋自動消火＋連動警報器）
- 予算：8万〜38万円（IH化別）
“窓・開口”の防火アップグレード（腰窓2＋掃出し1）
- 予算：30万〜60万円（カバー工法）
“外皮”対火仕様（屋根カバー＋外壁一部金属カバー）
- 予算：120万〜320万円（足場別）
感震遮断器＋分電盤の漏電遮断器更新
- 予算：3万〜12万円

第4章｜大分市の具体的な施工事例

事例A｜寝室の準耐火化（大分市高城台・6畳）

施工：2024年10月
仕様：壁天井PB12.5二重＋不燃クロス、コンセント防火BOX、室内防火戸、連動型警報器
費用：総額62万円／工期：2日
効果：隣室への延焼時間を稼ぎ、夜間の避難安全性が向上

事例B｜キッチン火元対策（大分市田尻）

施工：2024年6月
仕様：IH化、背面不燃パネル全面、レンジフード更新（ダンパー付）、自動消火装置
費用：総額41万円／工期：1日
効果：出火リスク低減、清掃性向上でグリス着火の予防

事例C｜外皮の対火・対風強化（大分市生石・沿岸）

施工：2023年12月
仕様：SGL屋根カバー＋高耐久ルーフィング、外壁金属サイディング部分カバー、防火サッシへ交換
費用：総額276万円／工期：8日
効果：飛び火・強風時の延焼リスクを抑制、塩害耐久も向上

第5章｜専門家コメント

「耐火は“区画×被覆×開口×感知”の総合設計。図面に層構成と不燃認定番号、貫通部ディテールを落として、完了後は写真でトレースできるようにしましょう。」
「大分は塩害・強風が絡むため外皮はSGL・SUS・防火サッシの組み合わせが長持ち。キッチンはIH＋不燃パネル＋自動消火で初期消火率が上がります。」

第6章｜見積書の読み方（実務チェックリスト）

法適合：防火/準防火地域・22条区域の有無、要求等級
材料の性能：不燃/準不燃認定番号、ガラスの防火性能、サッシの防火戸認定
層構成：PB厚・段数、断熱材密度、透湿防水シート規格、外装板厚・金属種（SGL）
貫通部：ダクト/配管の防火措置、ダンパーの型番
建具：防火戸等級、ドアクローザー、シール材の耐熱
電気/ガス：感震遮断器、漏電遮断器、警報器の連動方式
付帯：撤去・産廃・養生、足場、保証（施工・材料）、工程写真提出

第7章｜スケジュールとベストシーズン

現地調査〜提案：3〜7日（法区分・図面確認）
仕様確定・発注：1〜2週間（材料納期）
工期目安
- 室内準耐火化：1〜3日/室
- キッチン不燃化：0.5〜1日（IH・電気工事含むと+半日）
- 外皮対火更新：屋根3〜6日、外壁部分2〜4日（足場・天候で変動）
ベストシーズン：3〜6月／10〜11月（乾燥安定）
梅雨・台風期：可使時間・乾燥養生厳守、日締め仮防水を徹底

第8章｜費用最適化と補助制度（2025年時点）

コスト最適化
- 屋根・外壁・窓は足場共用で同時施工（-8万〜15万円）
- 室内は“寝室/避難経路優先”で段階実施、開口は後からでも交換可能なカバー工法を選択
- 在庫規格材を優先、特注ガラス・建具は最小化
補助・支援
- 国/県/市の耐震・省エネと併用可能な年度あり（窓防火サッシが断熱枠同等品の場合など）
- 住宅防火・防災関連の助成は年度により対象が限定されるため最新情報を確認
申請のコツ
- 多くは着工前申請。製品型番・認定証・施工前後写真・図面が必須
- 最新情報は大分市役所建築指導課・住宅支援窓口、大分県公式サイトで確認

第9章｜よくある落とし穴と回避策

PB二重でも“抜け道”（コンセント・ダクト）で効果半減
- 回避：防火ボックス・ファイアーストップ材・防火ダンパーで封止
防火ガラスだけ交換して枠が既存
- 回避：サッシ自体を防火サッシへ（カバー工法で室内復旧最小）
キッチンで可燃内装が露出
- 回避：コンロ廻り全面パネル化、レンジフードの防火ダンパー確認
外皮更新で防水優先→防火未達
- 回避：防火認定の透湿防水シート・外装材・重ね代を仕様書で確認
警報器が未連動・電池切れ
- 回避：無線連動型に更新、年1回の機能点検

第10章｜今日やることチェックリスト

自宅の法区分（防火/準防火/22条）と図面の有無を確認
寝室・廊下・キッチンの可燃面を撮影（壁・天井・開口）
警報器の設置場所・年式・連動有無をチェック
同一仕様で3社に見積依頼（等級・層構成・開口・貫通処理・検査を固定）
併せて省エネ（内窓/断熱）・耐震の補助制度も確認

第11章｜依頼先の選び方

確認したい資格・体制
- 建設業許可（建築/板金/ガラス/電気/管）、一級/二級建築士、建築施工管理技士
- 防火設備検査員（建具周りの知見）、電気工事士、ガス可とう管接続工事監督者
信頼のサイン
- 不燃認定番号とディテール図の提示、工程写真（下地・貫通・開口）
- 連動警報器・感震遮断器の試運転記録、1年・3年点検

第12章｜まとめ

大分市の耐火リフォームは、室内区画化20万〜85万円/室、被覆15万〜60万円、キッチン不燃化5万〜28万円、開口防火30万〜60万円、外皮更新80万〜300万円が目安
施工は「区画×被覆×開口×感知」をセットで。地域特性（塩害・強風）を織り込む
見積は「等級・認定番号・層構成・貫通処理・建具/サッシ・検査と保証」を明記、同一仕様の3社比較で品質とコスパを両立