大分市で省エネリフォームを検討中の方へ｜断熱・補助金と費用解説

2025年10月30日

【結論】

大分市の省エネリフォームの要は「断熱＋開口部（窓）＋高効率設備」を同時に行い、国・県・市の補助金を活用して実質負担を下げること。費用目安は内窓（1窓）3.5万〜12万円、断熱リフォーム（天井10万〜35万円・床12万〜45万円・壁35万〜120万円）、高断熱玄関ドアカバー工法20万〜45万円、高効率給湯器（エコキュート等）18万〜45万円。電気代削減は窓が最優先、次いで天井・床断熱、給湯の順。見積は「製品型番・断熱性能値（Uw/η/熱抵抗R）・施工範囲・気密処理・保証・補助金適合可否」を明記し、同一仕様で地元3社に相見積が最短ルートです。

第1章｜大分市の省エネリフォーム“基本ルールと相場感”

開口部（効果が即効）
- 内窓（二重窓・樹脂枠）：小窓3.5万〜6万円／腰窓5万〜8万円／掃出し7万〜12万円
- 窓カバー工法（サッシごと交換）：腰窓10万〜18万円／掃出し12万〜25万円
- 玄関ドア（断熱ドア・1日工法）：20万〜45万円
断熱（部位別・在来木造の目安、税込）
- 天井断熱（ブローイング/敷き増し）：10万〜35万円
- 床下断熱（高性能ボード/マット＋気流止め）：12万〜45万円
- 壁断熱（充填 or 付加、内装復旧含む）：35万〜120万円
設備・換気
- 高効率給湯器（エコキュート/ハイブリッド）：18万〜45万円
- 高効率エアコン（6〜14畳用交換）：12万〜28万円/台
- 24時間換気の更新・熱交換換気（第1種）：20万〜60万円/戸
大分市の気候配慮
- 冬は底冷え、夏は高温多湿・台風。沿岸（生石・坂ノ市・佐賀関）は塩害対策で金物SUS、外部フード塩害仕様。高台（明野・高城台）は風圧対策と気密を両立

第2章｜優先順位の付け方（費用対効果の高い順）

1位：窓（内窓 or 高断熱サッシ）…熱損失の大半が窓起因。断熱・防音・結露対策を同時改善
2位：天井断熱…施工性が高くコスパ良。夏の小屋裏熱も低減
3位：床下断熱…冬の足元冷え改善。気流止めを併用
4位：玄関ドア断熱…隙間風・冷輻射を抑制
5位：給湯・空調更新…高効率機でランニングコスト削減
6位：壁断熱…効果大だが工期・内装復旧費が伴うため計画的に

第3章｜仕様選定のポイント（性能値の見方）

窓性能
- Uw値（W/m²K）が小さいほど断熱性が高い。内窓＋Low-EでUw≒1.9〜1.4、樹脂サッシトリプルでUw≒1.0前後
- ガラスはLow-E（遮熱/断熱タイプ）を方位で使い分け、沿岸はSUS金物
断熱材
- 熱抵抗R値（m²K/W）＝厚み/λ。天井はR=3.3以上、壁はR=2.0以上、床はR=2.2以上を目安に
- 気密層・防湿層の連続性（コンセントボックス・梁周りの処理）を確認
気密・換気
- すき間風を止める“気流止め”と24時間換気の風量バランスが重要
- 熱交換換気は冬の乾燥と熱損失を抑える

第4章｜面積・窓数別の概算早見表（戸建30坪モデル）

開口部パック（内窓×8窓＋玄関ドア断熱）
- 予算：70万〜135万円（補助前）
- 効果：冬の体感改善大、結露大幅減
断熱パック（天井＋床下）
- 予算：25万〜70万円
- 効果：足元・頭上の冷輻射を抑え、暖冷房効率UP
フル省エネ（内窓10窓＋玄関＋天井床＋エコキュート）
- 予算：120万〜260万円（補助前）
- 効果：電気・ガス代10〜30％削減目安（住まい方・設備効率により変動）

第5章｜大分市の具体的な施工事例・実績

事例A｜大分市森町・内窓＋天井断熱

施工：2024年12月
仕様：YKK AP プラマードU Low-E腰窓×4・掃出し×2、天井ブローイングR3.6
費用：総額78万円（補助前）→ 国の窓補助活用で実負担約48万円
効果：朝の室温低下が穏やか、結露激減、暖房設定-1℃

事例B｜大分市生石・玄関ドア交換＋内窓

施工：2024年6月
仕様：LIXIL リシェントK4相当（断熱ドア）、寝室内窓（異厚防音）
費用：総額62万円
効果：隙間風が解消、道路騒音体感-10dB程度

事例C｜大分市稙田・床下断熱＋エコキュート

施工：2023年11月
仕様：床下高性能ボードR2.5＋気流止め、エコキュート370L寒冷地仕様
費用：総額92万円
効果：冬の底冷え改善、給湯光熱費約-20％（使用実感）

第6章｜専門家コメント

「“窓→天井→床→玄関”の順で外皮性能を整えるのが費用対効果の王道。方位別にガラス仕様を使い分け、気流止めと気密テープで隙間を潰すと数値以上に体感が良くなります。」
「見積は性能値（Uw/η、R値）と納まり（気密処理・防湿層の連続）を図で確認。塩害エリアは外部金物の材質指定を忘れずに。」

第7章｜見積書の読み方（実務チェックリスト）

製品名・型番と性能値（窓のUw、ガラス構成、断熱材R値・厚み）
施工法（内窓/カバー/充填断熱/ブローイング）と範囲
気密・防湿の仕様（テープ品番、ポリフィルム、気流止め位置図）
付帯（額縁・内装復旧、外部フード、電気工事）の有無
保証（製品・施工）と結露・断熱性能に関する免責の扱い
工程写真提出（施工前後・気密処理・断熱材充填状況）

第8章｜スケジュールとベストシーズン

現地調査〜提案：3〜7日
仕様確定・発注：1〜2週間（在庫状況で変動）
工期目安
- 内窓/ガラス：半日〜1日で数窓
- 玄関ドア：1日
- 天井断熱：半日〜1日、床下断熱：1〜2日、壁断熱：3〜7日（内装復旧含む）
ベストシーズン：10〜3月は改善体感が大、梅雨・台風期は乾燥・養生を厳守

第9章｜費用最適化と補助制度（2025年時点の例）

コスト最適化
- 同一仕様で3社相見積、まとめ施工で出張・養生を圧縮
- 補助金の要件に合わせた型番・サイズを選定
- 内窓と玄関を同日、断熱は天井＋床を同時に
補助・支援の例
- 国：先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業、住宅省エネキャンペーン（年度要件により仕様・還元率変動）
- 大分県・大分市：省エネ・断熱改修や子育て/高齢者向け改修の上乗せがある年度あり
申請のコツ
- 多くは着工前申請・製品型番要件・施工前後写真が必須
- 最新情報は大分市役所住宅支援窓口・大分県公式・国交省/環境省サイトで確認

第10章｜よくある落とし穴と回避策

断熱だけで結露が別部位に移動
- 回避：換気計画と除湿、外皮全体のバランスを確認
内窓が干渉して全閉できない
- 回避：額縁寸法・クレセント位置の実測、ふかし枠で段差調整
床下断熱で配管・点検口を塞いでしまう
- 回避：点検・メンテ経路の確保、配管周りの気密のみ強化
壁断熱でコンセント結露・カビ
- 回避：気密ボックス採用、防湿層の連続性、漏気を封止
補助申請が間に合わない
- 回避：枠予算や公募時期を事前把握、申請代行の有無を確認

第11章｜今日やることチェックリスト

優先目的を決める（冬の寒さ/夏の暑さ/結露/騒音/光熱費）
窓のサイズ・方位・枚数、天井裏/床下の点検可否をメモ
希望の製品（内窓色・ドアデザイン・給湯器容量）を整理
同一仕様で3社に見積依頼（性能値・型番を指定）
補助金の募集状況を確認（着工前申請が原則）

第12章｜依頼先の選び方

確認したい資格・体制
- 建設業許可（建具・断熱・管工事など該当業種）
- 断熱施工技術者、ガラス施工技能士、給水装置工事主任技術者、第二種電気工事士
信頼のサイン
- 性能値と納まりを図で説明、気密・防湿のディテール提示
- 工程写真提出と気密処理のチェックリスト運用
- 1年点検と結露・建付け調整のアフター体制