【別府市長持ちリフォーム】住宅の寿命を延ばす工法と費用解説

2025年11月4日

【結論】

別府市で“長持ちリフォーム”を実現する鍵は「止水（屋根・外壁・開口部）× 下地健全化（基礎・木部・配管）× 耐食・防湿（塩害・温泉スケール対策）× 定期点検の仕組み化」。30坪戸建の目安は、ミニマム80万〜160万円（外装軽補修＋配管・換気点検）、スタンダード180万〜420万円（屋根カバー/外壁再生＋窓一部更新＋電気盤更新）、フルメンテ600万〜1,200万円（外皮・断熱・窓・配管/電気の一体更新）。見積は「材料規格（SGL/塗料・塗布量/防水紙等）・固定仕様（SUSビス/ピッチ）・下地補修数量・防錆/防湿ディテール・保証・工程写真」を明記し、同一仕様で3社比較が最短です。

第1章｜別府市“長持ち”の前提（気候・環境）

塩害（北浜・上人ケ浜・亀川）：金属部の腐食促進→SUS金物・SGL屋根・塩害仕様フード・端部防錆必須
湿気・温泉スケール（硫黄/炭酸カルシウム）：水回り・外装の汚れ/詰まり→撥水面材・清掃性高い設備・換気風量の確保
強風（観海寺・石垣/内成の高台）：風圧・飛来物→屋根端部/役物の固定強化・耐風サッシ/シャッター

第2章｜部位別“長持ち工法”と費用目安（30坪戸建・税込）

屋根
- 工法：SGLガルバ横葺/立平＋改質アスファルト高耐久ルーフィング（対穴あき保証）／棟は樹脂貫板＋SUSビス
- 目安：カバー70万〜180万円／葺き替え90万〜220万円（足場別15万〜30万円）
外壁
- 塗装：ラジカル以上（規定塗布量・三層）＋シーリング撤去打替え
- カバー：SGL金属サイディング（断熱一体）＋通気胴縁・上位防水紙
- 目安：塗装80万〜160万円／カバー150万〜320万円
窓・玄関
- 工法：内窓（樹脂）／カバーサッシ（樹脂/アルミ樹脂）／玄関断熱ドア
- 目安：内窓3.5万〜12万円/窓、カバー8万〜25万円/窓、玄関20万〜45万円
基礎・木部
- 工法：基礎ひびエポキシ注入、外側増し打ち（必要時）、防蟻・防腐、床下防湿シート＋換気改善
- 目安：基礎補修30万〜150万円、防蟻8万〜20万円
配管・電気・換気
- 工法：給水・給湯の樹脂化（架橋ポリ/HIVP）、排水勾配見直し、分電盤更新・専用回路増設、24時間換気の能力回復（ダクト径/曲り最適化）
- 目安：配管25万〜80万円、分電盤/回路8万〜25万円、換気更新8万〜25万円
断熱
- 工法：天井ブローイング（R3.3〜）・床下ボード（R2.2〜）＋気流止め、方位別Low‑E内窓
- 目安：天井10万〜35万円、床下12万〜45万円

第3章｜優先順位の決め方（診断→止水→下地→外皮→設備）

診断：屋根・外壁・開口の漏水、床下/小屋裏の含水、配管・分電盤・換気風量を点検
止水：屋根端部/谷・開口三角シール・防水紙の要所を改善
下地/構造：基礎・土台・柱の健全化、腐朽/白蟻対応
外皮・断熱：屋根/外壁の耐食化、窓・断熱で結露・腐朽リスク低減
設備・換気：樹脂配管・電気容量、ダクト・外部フードの塩害/風対策

第4章｜“長持ちパッケージ”の概算（30坪・足場一体化を想定）

ミニマム（止水＋点検）
- 内容：棟板金交換・端部処理・高耐久ルーフィング一部差替・外壁微補修・全目地打替え・床下点検/防蟻
- 予算：80万〜160万円
スタンダード（外皮＋窓一部＋設備ミニ）
- 内容：屋根SGLカバー＋外壁ラジカル塗装＋内窓2〜4＋分電盤更新/換気改善
- 予算：180万〜420万円
フルメンテ（外皮＋窓断熱＋配管電気）
- 内容：屋根SGL葺替・金属サイディングカバー・内窓10・天井床断熱・給水/給湯樹脂化・玄関断熱
- 予算：600万〜1,200万円

第5章｜別府市の“長持ち”実例

事例A｜沿岸・外皮再生（北浜・築20年・30坪）

施工：2024年10月／屋根SGL横葺＋対穴あきルーフィング、棟樹脂貫板、外壁ラジカル、全目地撤去打替え、外部フード塩害仕様
費用：238万円／工期：14日
効果：台風時の安定・端部錆リスク低下、再塗装周期の延長

事例B｜配管・換気・断熱の底上げ（石垣東・築28年・32坪）

施工：2023年11月／内窓8、天井ブローイング、分電盤更新、給湯配管一部樹脂化、浴室換気ダクト径UP
費用：168万円／工期：4日
効果：結露ほぼ解消、電気トラブル予防、光熱費-12〜18％

事例C｜外壁カバー＋玄関更新（上人ケ浜・築35年・28坪）

施工：2024年5月／金属サイディングSGLカバー、玄関断熱ドア、床下防湿＋防蟻、SUS金物に統一
費用：412万円／工期：12日
効果：外皮劣化をゼロリセット、腐朽・錆の進行抑制、体感温度の底上げ

第6章｜専門家コメント

「長持ちは“見えないところ”が決め手。ルーフィング重ね幅、開口部防水テープ、通気層確保、金物の材質を仕様書で数値化し、工程写真で可視化しましょう。」
「別府は塩・湿・風の複合環境。屋外はSUS×SGLと端部処理、屋内は換気ダクトの静圧計算と防湿で、腐食と結露を同時に抑えると寿命が伸びます。」

第7章｜見積書の読み方（実務チェックリスト）

材料規格・型番：SGL板厚、ルーフィング規格、塗料名/グレード・塗布量、窓Uw値
固定仕様：SUSビス/座金・ビスピッチ、棟樹脂貫板、端部気密/防錆
下地補修数量：クラックm、腐朽交換m、シーリング延長m
既存撤去・産廃、足場・養生の内訳
防水・気密・通気ディテール図（開口・谷・ケラバ）
施工・材料保証（年数・対象範囲）と工程写真（下地→防水→仕上げ）
定期点検計画（1年・3年）と台風後の臨時点検

第8章｜スケジュールとベストシーズン

現地診断〜提案：3〜7日（屋根外装・床下・換気の同時点検）
仕様確定〜発注：1〜2週間（ショールーム/サンプル確認）
工期目安：屋根カバー3〜6日、外壁塗装10〜18日、窓/玄関0.5〜1日、配管更新1〜3日、断熱0.5〜2日
ベスト：3〜6月／10〜11月（乾燥安定）
梅雨・台風期：日締め仮防水、可使時間・含水率基準（12〜15％）を遵守

第9章｜費用最適化と補助制度（2025年時点）

コスト最適化
- 屋根・外壁・窓・樋を同時期にまとめ、足場を1回で完結（-8万〜15万円）
- 在庫規格の活用、特注役物は最小化
- 再発源を断つ仕様（棟樹脂貫板、可塑剤移行の少ないシール材）でメンテ周期を延長
補助・支援
- 国：先進的窓リノベ、給湯省エネ、住宅省エネキャンペーン
- 大分県・別府市：省エネ・耐震・子育て/高齢者改修の上乗せ制度の年度あり
申請のコツ
- 原則着工前申請。製品型番の適合証明・仕様書・施工前後写真が必須
- 最新情報は別府市/大分県公式サイトで確認

第10章｜よくある落とし穴と回避策

外観だけ刷新し下地放置
- 回避：下地写真・数量根拠（補修m・缶数・ルーフィング規格）で可視化
端部・開口の防水省略
- 回避：テーピング・三角シール・端末処理の工程写真を必須化
棟板金の釘留め継続
- 回避：樹脂貫板＋ビス固定へ刷新
配管・電気の老朽先送り
- 回避：分電盤・専用回路・漏電検査／配管の樹脂化を同時に
点検計画がない
- 回避：1年・3年定期点検、台風後臨時点検を契約書に明記

第11章｜今日やることチェックリスト

屋根・外壁・窓・基礎・床下の現況写真を撮影
漏水跡・結露部位・錆・白華・電気ブレーカ履歴をメモ
優先順位（止水→下地→設備→断熱→仕上げ）を決定
同一仕様で3社に見積依頼（材料規格・固定・工程・保証を固定）
補助制度（窓/断熱/給湯）と着工前申請の可否を確認

第12章｜依頼先の選び方

資格・体制
- 建設業許可（屋根・板金・塗装・建具・管・電気）
- 一級/二級建築施工管理技士、外装劣化診断士、断熱施工技術者、給水装置工事主任技術者、第二種電気工事士
信頼のサイン
- 防水・固定・下地の“工程写真”標準提出
- メーカー基準順守の見積（板厚・塗布量・重ね幅・ビスピッチ）
- 1年・3年の定期点検と台風後の臨時点検体制